echo
「eho」は、螺旋・反響・予感がテーマの作品です。巻貝の螺旋模様(≒やまびこのように作用・反作用を受けながらほんの少しズレて反復している)を見ていて、自分が心地良いと思う流動的な感覚/生命感が彷彿して制作を始めました。螺旋状に積み重なった層が殻のようになっていて、中空です。貝殻/サナギ/卵のように、その隔壁の向こうに「何か」が存在している「気配・予感」を生み出すような…
この作品は、colonyシリーズと共に本郷新記念札幌彫刻美術館の企画展「生命体の存在」に出品いたしました。
◾️展示概要◾️
彫刻において、人や動物を「動いているように」「生きているように」表現することは、古代から現代にまで共通する普遍的な課題となっています。一方で、彫刻(あるいは彫刻を取り巻く空間)そのものが新たな生命体と化した作品もあり、それらは単なる模写、リアルの追及を超えて生命の探求へと向かっていると感じられます。また、こうした作品には、工芸品や日用品のイメージが強い陶やガラス、ジュエリーなど身近で意外性のある素材・技法が用いられることがあり、生命体としての彫刻はますます人々の日常や生き方への問いに接近してきているといえます。
本展では北海道にゆかりのある作家たちの作品から、生命体としての彫刻に着目し、彫刻表現の多様性とその可能性を探ります。
「彫刻の存在は同時に生命体の存在である。古代彫刻を見よ、中世芸術を見よ、東洋の数々の古典を見よ、人類万年の歴史は、彫刻の何たるかをわれわれに教えている。軽佻浮薄の現代を恥じ、大自然と大古典を友とし、師と仰ぎつつ明日に向かおう。」――本郷新「彫刻十戒」より
出品作家:青木美歌(ガラス)、伊藤光恵(繊維)、上ノ大作(竹)、小林繁美(金工)、下沢敏也(陶芸)、丹羽シゲユキ(陶芸)、中村修一(陶芸)、前田明日美(ジュエリー)
会期:2023年9月16日(土)~2023年12月17日(日)
主催:本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市芸術文化財団)
後援:北海道、札幌市、札幌市教育委員会